こんにちは!
今回は歯周病と糖尿病の関係についてお話ししていきます!
歯周病は多くの全身疾患と関連することが分かりつつありますが、
その中でもっとも研究結果が証明されているのが糖尿病です。
歯周病は糖尿病の第6の慢性合併症とされています。
《糖尿病が歯周病を悪化させる??》
2型糖尿病患者は非糖尿病患者と比べて、歯周病発症率が2.6倍高いことが報告されています。
また、血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者(HbA1c 6.5%以上)では、
非糖尿病患者や血糖コントロールが良好な2型糖尿病患者よりも歯周病が進行しやすく、
歯を失う割合が高いことが報告されています。
他にも、特に血糖コントロール不良な2型糖尿病患者(HbA1c 9%以上)は、
非糖尿病患者よりも歯周病のリスクが2.9倍高いといわれています。
しかし、血糖コントロールが良好な1型および2型糖尿病患者では、
そのような関連は認められませんでした。
そのため、HbA1cが6.5~7.0%あたりから歯周病を悪化させるリスクが高くなり、
HbA1cが9%を超えると歯周病が悪化する重要なリスクであると推測されます。
《歯周病と糖尿病が相互に及ぼす影響》
血糖コントロールを改善することで歯茎の炎症が改善した研究はありますが、
糖尿病治療のみで歯周病の改善は認められませんでした。
しかし、歯石取りなどの歯周基本治療によって、
HbA1cが改善すること(約0.4%)が示されています。
《まとめ》
糖尿病の改善は歯周病の改善に、歯周病の治療は糖尿病の改善に繋がります。
歯周病の予防で最も大切なことは、
おうちでの適切なブラッシングと定期的なメンテナンスです。
糖尿病患者は歯周病が悪化しやすいため、年3〜4回よりも短い間隔での
メンテナンスを行うことが推奨されています。
また、歯周病は症状が出にくいため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
お口の健康だけでなく、全身の健康維持のためにも、定期検診にいらしてくださいね^^
参考文献『成人病と生活習慣病47巻4号』
『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第2版』
次回は、歯周病と関節リウマチの関係についてお話ししていきます!
上用賀おおたデンタルクリニック