こんにちは!
今回は歯周病と妊娠の関係についてお話しします。
妊娠中の女性が歯周病の場合、歯周病ではない人と比べると、
低体重児早産のリスクは7倍も高くなるといわれています。
喫煙・飲酒・年齢によっても早産のリスクは高くなりますが、
歯周病はこれらよりもリスクが高いという結果になりました。
《なぜ低体重児早産のリスクが高くなるか?》
歯周炎の妊婦は健康な歯茎の妊婦と比べて、より多くの歯周病菌や重度の歯周病菌に感染します。
歯周病菌に感染すると、炎症部分から血管を通して全身に歯周病菌がまわります。
妊娠中にこの物質の血中濃度が高くなると、陣痛や子宮の筋肉の収縮などが起こり、
低体重児早産に繋がると考えられています。
《妊娠期の歯やお口の健康リスク》
妊娠性歯肉炎
妊娠性歯肉炎とは、本来であれば歯肉炎にならないようなお口の清掃状態でも、
妊娠の影響により歯肉炎になっている状態のことです。
妊娠中はホルモンの分泌が盛んになり、ホルモンを好む細菌が増えたり、
唾液がネバネバしやすくお口の自浄性が低下することで、
歯茎の炎症や出血が起こり、歯肉炎になりやすくなります。
通常は出産後にお口の中が清潔に保たれていれば改善しますが、
お口の清掃状態が悪いままだと歯周病へ進行していきます。
妊婦の歯周病の罹患率は66〜98%といわれています。
智歯周囲炎
一般的に親知らずと呼ばれる歯は、一番後ろに生えてくるため汚れがたまりやすく、
歯茎の炎症を引き起こしたり、歯周病や虫歯の原因となることがあります。
妊娠中の治療は基本的には対症療法になりますが、
必要に応じて抗菌薬投与、消炎処置が必要となることがあります。
そのため、症状が出る可能性がある親知らずは、予防のために妊娠前に抜歯することも大切です。
《予防法》
・つわりで磨けない時は、体調が良い時にしっかり歯磨きをする
・間食をした後は、歯を磨くかお口をゆすぐ
・歯科医院で定期的にクリーニングをして歯石を溜めない
妊娠中は、歯周病や虫歯のリスクが高くなりますが、
早期に発見することにより早産やお子様への影響を予防することができます。
そのため、安定期に入ったら一度歯科検診にいらしてくださいね^^
参考文献『周産期医学 Vol.45 No.12 2015-12』
『骨粗鬆症治療 Vol.9 no.2 2010』
次回は、歯周病と糖尿病の関係についてお話しします!
上用賀おおたデンタルクリニック